日本海連合、爆誕!!

2012年上半期、国を含む共同研究チームから外されてしまった青山千春博士及び独立総合研究所は、自前調査、自治体との連携を開始し、それと同時に自治体の広域連合組織を作る事に奔走した。
連携した自治体(新潟、兵庫)の首長、京都府長を説得して連合の設立を呼び掛け、10府県が参加。2012年9月8日、青山繁晴提言による「日本海連合」が爆誕した(現在は12府県)。

主な活動内容は
・国への提言。
・「海洋資源フォーラム」などの周知、啓蒙活動。
・採掘アイデアコンテストの開催。


採掘アイデアコンテストのチラシ
採掘アイデアコンテストのチラシ
設立後1年間は研修会が開かれ、政府への提言も行われたが公にはほぼ何の動きもなく、作られたホームページの中身もカラッポの状況であった。

長い沈黙の後の2013年末、ついに始まったのが中高生をターゲットにした「メタンハイドレート採掘技術アイデアコンテスト」だ。

青山繁晴先生は2007年以来ずっと言い続けてきた「砂層型メタンハイドレートと違い、表層型メタンハイドレートはすぐに採れる。安く採れる。実用化まで一年掛からない!世界をひっくり返してしまう。だから既得権益に邪魔され続けているんだ!」という訴えは一旦置いておき、「正直どうやったら採れるのか検討も付かないから子供のアイデアを募ろう!」と考えをシフトしました。

ここで今まで散々言ってきた事、「簡単にすぐ採れる、安く採れる」を撤回してくれていたら...と思います。


せっかくなので、優秀な作品を少し紹介します。
高校生の部、最優秀賞。
高校生の部、最優秀賞。
断熱膜と、表層海水のポンプ送水によるガスチムニー内ハイドレートのガス化のアイデア。海底表層を大掛かりに掘削する事なくメタンガスのみを捕集する、なかなか良いアイデアです(非常に勉強家なのが文章で伝わってきます。既に青山繁晴先生の何倍もメタハイに詳しいと思います)。
中学生の部、最優秀賞。(絵のクオリティがアレですが、中学生です)
中学生の部、最優秀賞。(絵のクオリティがアレですが、中学生です)
海底エレベーターとブルドーザーによる掘削アイデア。いかにも子供らしくて可愛らしい発想です。
大人が考えたら「深度1000mの深海で使えるブルドーザーなんてないから」なんて言われてしまいそうですが、子供はそんなの御構い無し!
深海で使える、電気式の有人ブルドーザーがいつか出来たら面白いですね。

青山千春博士の研究室のアイデア

ここで、青山千春博士の研究室共同チームによる国の研究機関である産総研からなされた表層型メタンハイドレート回収技術公募にて採択されたアイデアもついでに見てみましょう!子供には分からない、日本より世界でこそ有名なザ・サイエンティスト千春博士が考える驚きのアイデアとは?!
海洋大、新潟大、九州大、太陽工業によるアイデア
海洋大、新潟大、九州大、太陽工業によるアイデア
流石大人のアイデア!
無電深海底掘削装置で表層メタンハイドレートを掘削し、高校生には想像も出来ないような大規模捕集膜で取りこぼしなくハイドレートを回収。
さらには大きな結晶状ハイドレートを運搬する深海底自然浮上パイプ装置も見えます。

*ホームページ作者による論評:思い切り地上で使われてるブルドーザーの絵を配置しているあたりに研究者としての底意地(稚拙さ)を感じます。そのような技術は現在存在していません。泥層の軟弱な地盤である事も考慮せず、また散々太平洋側は選り分けないといけないからコストがかかる!と言いながらメタハイと泥層との分離プロセスを配置しているあたりにはある種神がかった頭脳をお持ちのようです。
ほぼ、石炭採掘と同じようなイメージで描かれていますが、メタンハイドレート重量、また体積の両方で比較しても石炭の方がエネルギー量は大幅に上回っています。国産石炭ですらコスト面で輸入石炭に太刀打ち出来ずに輸入に頼っている現在、このアイデアの実現可能性はゼロ以下であります。陸上の炭鉱でペイ出来ない石炭を深海底で掘削するようなイメージでは、他の全てのエネルギー資源が枯渇しない限り手を出す価値は生まれません。
そしてそんな事は国の研究機関である産総研の研究員も良くご存知です。
だから回収技術公募の予算はたったの1500万円なのです。青山繁晴先生のような、また青山繁晴先生に騙されてるような国会議員、役所職員、団体が煩いのでとりあえずやったフリだけさせられてる。それが日本海表層型メタンハイドレートの開発、と言えます。



中学、高校の最優秀賞をドッキング



新潮45 エネルギー無策 青山千春より
新潮45 エネルギー無策 青山千春より
プーチン大統領が天然ガスの価格を下げて来た!

2014年、日本海連合主催「日本海資源開発促進対話」にて衝撃の発言がエネ庁課長から飛び出した。
当時の経済産業省資源エネルギー庁石油・天然ガス課長「南 亮」氏の基調講演中の出来事であった。

なんと「日本海の天然ガスを日本が実用化に向け動き出しただけで、ロシアのプーチン大統領が天然ガスの価格を下げてきた」と暴露したのだ(千春博士「エネルギー無策 新潮45」http://mmtdayon.blog.fc2.com/blog-entry-653.html?sp)

しかし、その場にいた主要紙各社はその発言を一言も報じる事がなかった。

青山繁晴先生は語る「メディアこそ腐ってる」と。

ホントにそんな事言ったのか?
本当に南課長はそのような発言をされたのでしょうか。
本当ならば凄いことです。メタハイが実用化するまでもなく、資源のない日本が価格競争力を持つ、という一つの夢の実現です。

青山繁晴先生、千春博士のこの件についての発言を色んな場面で検証してみました。

「プーチン大統領が天然ガスの価格を下げてきた!」
「ロシアとの天然ガス価格交渉で有利に働いた!」

なんだか言い方が夫婦共、毎回微妙に違います。
実際に「プーチンが」価格を下げてきたのか、ただ交渉で話題になっただけなのか、そこには大きな隔たりがあるように思います。


科学者の話ってなんて面白いんだろう 青山千春著
科学者の話ってなんて面白いんだろう 青山千春著
下げてきてない

実際に南課長にその大事件の話を千春博士が直撃してインタビューして聞いてくれていました。

「ロシアが天然ガスの価格を下げてくる
「私がロシアと交渉をしたのは価格(を下げさせる)というより調達面(必要な量を確保する交渉)」
「あくまで日露の交渉の中での雑談」

どう考えても「プーチンが天然ガスの価格を下げてきた!」とはなりませんね。
新潮45の寄稿にも「プーチンが天然ガス価格を下げてきた!」と千春博士は書いてしまってますし、自民党のネット番組でも青山繁晴先生は断言しちゃってます。大丈夫なのでしょうか?
調達面の交渉中の雑談でちょっと強気になれただけですよ?




日本海連合 研修講師の推移
日本海連合 研修講師の推移
日本海連合によるメタンハイドレート研修の講師の推移を見ると、2012年の設立年度に一度青山千春博士が呼ばれただけで、あとは「明治大学・研究知財戦略機構」が大部分を占めております。
青山先生とは袂を分かった松本良研究所所長の研究員が講師を務めているのでしょう。
青山繁晴先生の嘘やデマがきちんと日本海連合にも伝わっているんだな、と安心感があります。